Enterprise Watch の記事雑感
「OLPCプロジェクトに大きな変化? 子供向けノートPC「XO」にWindowsを搭載」について。
MLや当事者のBlogでの
経緯を追いかけていたうえで、この記事を読むとミスリード・煽りと感じる部分が多いことに気がつきます。
所詮マスメディアですからしかたがないのですが。
「途上国の子供1人に1台のノートPC」を目指すNPO「One Laptop Per Child」(OLPC)が、 教育向けノートPC「XO」でWindows XPをサポートすることを正式に発表した。 Linuxベースの「Sugar」に加え、二本立てで推進してゆく。
XOでデュアルブートできるようにファームウェアを改良しました。しかしOLPCそのものはLinuxに注力し、Windowsのサポートはしません。OLPCはWindowsのOEMですらないので、販売もできません。サポートはマイクロソフトやその傘下の組織が行うはずです。
SugarはOSではなく、ミドルウェアに属するレイヤです。そして外部のパートナーの力を借りてWindowsにSugarを移植する方針を表明しています。したがって、選択肢がSugarかWindowsであるというのはミスリードです。
Windows採用に疑問を投げかけているという
NN氏の発言を信じるなら、導入対象候補の国からWindowsが動かないのかという要望があったことが背景にあるということです。案件単位でLinuxベース or Windowsのデュアルブート を選択して購入できるので、単にWindows版?を買わなければいいと思います。選択肢があることで何が問題なのでしょう?
すべてのプロプライエタリシステムは高いコストを伴う。リリース管理、バグなどの作業も必要となる」 (Krzywicki氏)というのである。
前述のとおり、XP製品のサポートはMS側の仕事になるはずです。ただし導入後の1st levelサポートはOLPCが用意したプロセスを使うことになるので、ユーザから届く問題の切り分けをどうするかが課題であることは、Chuckも認めています。
また、eWeek Microsoft WatchブログのJoe Wilcox氏は、今回の発表を“One Windows Per Child”と 皮肉って、OLPCとMicrosoftが開発中のデュアルブートの提供を開始することになれば、 「OLPCが掲げてきた目標よりもMicrosoftのビジネスが 優先されることを意味する」とばっさり斬っている。
Microsoftをネタに商売しているお前が言うな、という気もしますが。
こうならないように、プロジェクトのフォーカスを失わないように気をつける必要がありますね。
あと、Windowsの選択肢ができたことでフリーソフトが負けるとか言うのはおかしいです。大島さんやBertが指摘していたように、プロプライエタリソフトウェアと比肩できるものにするのに注力していくのが本筋のはずです。
だから、OLPC、NNやMission Statementのあら捜しに浪費するエネルギーがあるんだったら、もっと手を動かして手伝ってもらいたいものです。
まあ、ボランティアというのは自分の良心の動機に従うものだと思いますから、デリカシーは足りなかったかもしれません。(最近のサポートミーティングでの Chuckの発言を読んでいる限り、多少はOLPCの人も学習しているように見えます)
OLPCの課題は、どのOSを採用するかではなく、教育プロジェクトを実行するためのフォーカスとマネジメントだといえる。
この一節だけはそのとおりですね。